数えたことはないですが・・・月20演目として年200演目は鑑賞しているでしょうか
失敗もよく見ています
手のモノ=扇子を落とすって多いですね、あと悪狐伝のシンが弓落とすとか
でもそのまま舞を続け拾うところはほとんど見た事がありません
面を装着するため後頭部にまわしているベルトや紐が切れ手で押さえながら舞ってたり
台詞が飛んでしまったときがいちばん困る
いったいどうなるのだろうと観ているこちらまで緊張してしまいます
賊がつまってしまってシンが小声で教えていたりとか
スサノオが自身の生い立ちを語るシーンで天の声が代わりに言ってくれたりとか
舞台裏のベテラン団員のフォロー、またその方の声質がすばらしいかったり
とにかく神楽のすごいのはなにか想定外のことがあってもそこでやめてしまったところを私は一度もみたことがないということです
美土里神楽発表大会でそれは起きました
天神神楽団さんの滝夜叉姫、羽織を付けての登場、ちょっと変わっているなとおもいました
貴船の社に願を掛けスモークが広がりいよいよ妖術得たりのシーン
勢いよく羽織を脱ぎ捨てます
おそらくここで気づいているお客さんはほとんどいなかったのでは
私も後から自分が撮影した画像を見てわかりました
榊のたもとに置いてあって巻物を手に取りスモークから表われた五月姫
えぇ、この演目でチャリはないだろう天神さん・・・ちょっと腹立たしくおもいました
私はいつも真剣に神楽を観ていますから
以前こんな舞台を見たことがあります(吉田神楽団さん悪狐退治より)
もちろん珍斉さんはチャリが前提なのでなんの問題もありません
神楽ドーム内は歓声とも驚きともいえないような異様などよめき
私とおなじ思いだったお客さんは他にもいたはずです
しかし、ご本人がもっとも戸惑っていたでしょう
どうしようか一拍ついたあといつもどおり口上を続けれられました
山返し(ですよね?)がよかったのかもしれない
最初ガッソで潰れてた頭髪がなじんできた
このシーンの終盤は風格さえありました
想定外の出来事に会場のざわめきはしばらくおさまらず・・・
そして瀧夜叉姫再登場!大歓声!なんなんだろうこれは!
このとき観客の皆さんはどういうおもいだったのでしょう
ちゃんと元に戻った瀧夜叉姫への安堵感、何事もなかったかのように出てきた度胸の良さへの賞賛、あれはチャリじゃなかったんだとの確認・・・様々な思いがあったことでしょう
美登里町の発表会という地元由来のイベントだったのが幸いしたのかもしれません
ともかく今までにない会場の雰囲気が感じられた舞台でした